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行財政改革について考える②

令和3年2月市会・予算局別委員会2日目(行財政局)、行財政改革について質問しました。

 

「行財政改革について考える①」では、京都市が財政再生団体に転落した場合のリスクについて書きましたが、今回まず質問したのは「財政再生団体に転落した場合、京都市職員に与える影響は?」ということです。

答弁について簡単にまとめると、「唯一の財政再生団体である夕張市では、転落以前と比べて給与水準が約6割、職員数も約6割に落ち込んでいる」とのことです。

もちろん、自治体の規模が全く違うので同等の影響が発生するわけではありませんが、職員にとっても財政再生団体転落は絶対に避けなければならないという認識は変わらないはずです。

市民サービス等を削るなど、負担増が発生することは、対象となる市民にとっては納得しがたく、我々議員にとっても賛成はしがたい…。そこが改革(なかでも歳出減)を進める難しさです。一方で、改革による負担増よりも、財政再生団体に陥った場合の負担増(国民健康保険料は3割増、保育料は4割増etc.)は深刻なものです。

市民にとっても、行政・職員にとっても絶対に避けなければならない共通の仮想敵といえる「財政再生団体の転落」と向き合い、いわば「敵の敵は味方」という認識のもと、行財政改革に対して理解・協力の醸成を図ることが出来るかが肝になります。

 

もう一つ質問で確認したのは、根本的なことです。見直しの対象となる「市の独自性の強い施策」とはどんな施策なのかということです。

しばしば、市民サービスの見直しに言及されると〝市民の命と暮らしに関わる〟という議論になることがあります。もちろん、施策の見直しによる影響は注意深くみていかなければなりませんが、生きるか死ぬかの二元論的でヒステリックな議論になってしまうのは有意義ではありません。

国の制度が十分かは国会で十分議論いただくとして、憲法25条で生存権保障が掲げられており、「文化的な最低限度の生活」を保障するのは国の責任です。実際、どの自治体でも実施されるべき施策には国の交付税を多く用いることが出来、「市の独自性の強い施策」とは簡単にいえばそれ以外の施策です。

「市の独自性の強い施策」は原則的に、市民サービスを〝より〟充実して住みやすいまちづくりに寄与する施策や、都市の将来の発展のための先行投資などになります。簡単に考えると、住む人、働く人にとって他の自治体より魅力的な京都市づくりのための施策ということだと思います。

今ある「市の独自性の強い施策」が、魅力的な京都市づくりに寄与していることは間違いありません。しかしながら、昭和20年代というのは極端な例ですが、昭和40、50年代に創設された施策は当時の社会背景や人口比率、ニーズに基づいて設計されているため、現在の状況には合わないものが多々あるのは間違いありません。

そのような施策について見直し、今後の重点的に求められる施策(教育、子ども・子育て、福祉・健康促進、まちのブランディングetc.)に再配分することで、歳出は減らしながらも、京都市の魅力を減じない改革が理想です。

 

京都市の財政を考える上での理想について書いたものの、委員会での質疑で明らかであるのは現在の、とくに新型コロナウイルス感染症の影響を受けた歳入状況では、歳入=歳出となるような本来あるべき財政状況にもっていくのは困難であるとのことでした。

歳入を増やしていかなければ、歳出減があまりに大きくなり、市民生活への影響が深刻になるということです。最低限の保障は国で、というのはもちろんですが、他自治体より市民サービスが大幅に悪化すれば、急激な人口流出など京都市としても耐え難いダメージになり得ます。

 

歳入増に向けた取組みは様々ありますが、コロナ禍の終息も含め、中長期間を要するものが多くなります。

私からは今後、これまでの投資事業(たとえば地下鉄東西線など)の効果を税収増として回収するための施策について質問を続けていきます。

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