京都市会議員 こじま信太郎 公式サイト

お問い合わせ・ご相談は
  • face book

令和5年度予算要望

令和5年度(2023年度)予算要望

 

はじめに

 

令和5年度(2023年度)予算要望書を作成するにあたり、検討のベースとなる令和3年度(2021年度)決算を振り返る。

まず政策では、長引くコロナ禍に対応し、感染拡大防止対策や市民生活・京都経済の下支えなどにスピード感を持って取り組んだ。また、「はばたけ未来へ! 京プラン2025」および「行財政改革計画」(以下「計画」という)が策定され、いずれも令和3年度から取組がスタートし、厳しい財政状況下、持続可能な財政運営の道筋をつけ、明るい未来を展望する政策を着実に推進したところである。

一方、決算に目を向けると、歳入では、市民・事業者の皆様の努力により、市税収入は堅調に推移し、地方交付税も増額確保されたことなどから、一般財源収入が大幅に増加した。歳出では、人件費削減など行政の効率化を徹底した結果、特別の財源対策を236億円から89億円へと147億円圧縮するとともに、公債償還基金からの借入を187億円返済した。その結果、今後も行財政改革を着実に推進することを前提に、公債償還基金の令和7年度末残高は1400億円以上確保できる見込みとなり、令和6年度公債償還基金枯渇の危機は回避することができた。ただ、特別の財源対策を含めた実質収支は4億円の黒字となったものの、特別の財源対策を含めない場合は85億円の赤字であり、なお厳しい状況に変わりはない。

今後については、厳しい国家財政、年々増大する社会福祉関係経費、未だ収束が見通せず、市民生活・京都経済に深刻な打撃を与えている新型コロナウイルスへの対応、更に公債償還基金の計画外の取り崩し等で危機的状況に陥っている本市財政の現状を踏まえると、引き続き大変厳しい財政運営を見込まざるを得ない。

令和5年度(2023年度)は、計画の集中改革期間の最終年度であり、改革を軌道に乗せられるかどうかが問われる大変重要な年に当たっている。

今後も市民に負担をお願いすることもあることから、何よりも市民のご理解とご協力が不可欠である。そのため、①市民に行財政改革の状況を分かりやすく伝え、正しく認識していただく、②更なる市民サービス向上に努める、③市民の市政への積極的参加を働きかけ市政への関心を高める、の3点に取り組み、市民と共に汗する「共汗の市政」を進めることが極めて重要である。

これらに取り組むには、改革を推進する職員一人ひとりが危機感を持ち、組織を挙げてこの難局を乗り切る覚悟が必要である。また、市民に負担をお願いするばかりでなく、自らもコスト意識を持ち、最小の経費で最大の効果を上げる取組に徹するとともに、成長戦略にもしっかりと取り組み、出来るだけ早期に財政健全化を実現するよう門川市長を先頭に総力を結集して取り組むことを強く求める。

また、前回の行財政改革のように、今回目標未達成は決して許されるものではない。そこで、外部の視点を導入して毎年度の進捗状況を厳しく点検・評価し、目標必達に向け行財政改革を着実に進めることも併せて強く要望する。

民主・市民フォーラム京都市会議員団は、令和5年度(2023年度)予算要望において、本市が引き続きコロナ禍と財政危機の2つの危機に直面する極めて厳しい状況下にあることに鑑み、要望件数を出来る限り絞り込み、重点要望12項目、要望31項目の合計43項目を提出する。

結びに、市民のご意見・ご要望を踏まえて作成した予算要望書であることを最大限尊重し、予算編成に反映して取り組むことを強く求めるものである。

 

 

重点要望

 

1.「2050年二酸化炭素排出量正味ゼロ」の達成に向けた地球温暖化対策の推進

「2050年二酸化炭素排出量正味ゼロ」を達成し脱炭素社会を実現するため、市民・事業者等がそれぞれ意欲を持って主体的に取り組めるよう下記の取組を強力に推進すること。

①各年度の温室効果ガス削減状況を市民・事業者にタイムリーに発表できるよう工夫し盛り上げをはかるとともに、実績を分析・評価し今後の取組に活かすこと。

②高効率家電や省エネ性能の高い住宅における地球温暖化対策の効果とともに経済的メリットをわかりやすく伝え、市民の脱炭素型ライフスタイルへの転換を促進すること。

③環境に配慮した経済活動が企業価値の向上につながる事例等を分かりやすく啓発し、企業に脱炭素型ビジネスへの転換を促進すること。

 

2.着実な行財政改革の推進

行財政改革を推進するにあたり、下記の点を踏まえて着実に取り組むこと。

①本市もコロナ・財政危機に直面し厳しい状況ではあるが、コロナ禍で生活・事業の危機にある市民・事業者へは特に配慮し、SDGsの理念のもと弱者切り捨てにつながらないようにすること。

②市民サービスなど支出削減に偏らず、教育・福祉には十分配慮し、歳入歳出のバランスのとれた行財政改革を推進すること。

③歳出削減により捻出した予算の一部については、重点とすべき課題解決に向けた予算に付け替え、未来への投資のため、前向きな改革として市民に見える化すること。

④外部の視点を導入して進捗状況を定期的に厳しく点検・評価し、財政健全化を着実に推進する仕組みを構築すること。

⑤本市の魅力を高める定住者増加の取組や文化を基軸としたまちづくりなど支出削減と並行して成長戦略に積極的に取り組み、早期に成果を出すこと。

⑥市民向けに公共施設のコスト表示を順次実施する一方、職員向けに日々の仕事の中でコスト意識を喚起する取組を実施すること。

⑦地方交付税の基準財政需要額の算定根拠を明らかにするよう国に強く要望すること。

 

3.市民との共汗で進める行財政改革

本市の財政危機は市民に十分浸透している。そのため、市政運営に注がれる市民の目は大変厳しい。こうした時だからこそ市民に行財政改革をご理解いただき、共に汗する「共汗の市政」を推進することが極めて重要である。

そこで、市民との共汗で行財政改革を推進するにあたり、下記の点に取り組むこと。

①市民ならどなたでも行財政改革の現状がひと目で分かるよう広報を工夫すること。その際、外部専門家や市民も加わり、行財政改革の取組が市民にきちんと伝わっているかチェックする仕組みを導入すること。また、財政が厳しい中でも、本市が教育・福祉や安心・安全などで市民の命と暮らしを守る施策にいかに取り組んでいるかを分かりやすく伝えること。

②市長をトップとする「市民サービス向上推進本部」を設け、市民から「市役所が変わった」と認められるよう市民サービス向上に懸命に取り組むこと。

③市民が気軽に参加できる市政の取組を各局、各区役所・支所で検討・実施し、市民の市政への参加を一層推進すること。

 

4.市民の財産である市職員の働く環境の充実

①業務量に合わせた柔軟な人員配置により職員数を適正化し、円滑に業務を遂行すること。

②若手職員の中途退職が急増している。将来の中核となる大切な人材であることから、採用前から仕事のやりがい・醍醐味・現場の状況などについて情報提供し、京都市職員として意欲を持って長く働いてもらえるよう職場環境の整備に継続して取り組むこと。

③現場から市政を変える契機とするため、各職場の課題について積極的に議論できる場をつくること。

 

5.自然災害に備えた防災・避難体制の充実

頻発する自然災害に備え、下記の取組を推進すること。

①「マイ・タイムライン」の普及・活用で災害時の実態に沿った多様な避難行動を地域で積極的に推進すること。

②避難行動要支援者の地域による円滑かつ迅速な避難支援体制の構築にあたっては、関係者のみならず広く市民に趣旨が理解されるよう広報活動にしっかりと取り組むこと。また、避難所支援体制の運営に携わる地域の意見・要望を真摯に受け止めながら、全庁体制で取り組むこと。

③災害時に本市の備蓄だけでは十分とは言えず、防災訓練に備蓄の訓練を採り入れるなど市民備蓄を一層推進すること。

④自主防災組織と連携し、地域住民自身が地域の安全状況を確認する「防災まち歩き」を普及させるなど更なる地域の災害対応力向上に取り組むこと。

⑤自主防災会の支援費の使途を総合防災訓練に要した費用に限定せず、普段の防災活動に要した費用にも充当できるよう改善すること。

⑥「雨に強いまちづくり」の取組は、本市の水害対策で大きな成果を収めている。今後雨水タンク・雨水浸透桝設置のように市民レベルで取り組める策を一層推進すること。また、浸水対策を加速するとともに、安全度の水準を引き上げることも視野に入れて取り組むこと。さらに、政策効果を高めるため、国・府を巻き込んだ総合的な対策を着実に推進すること。

⑦防災機能充実を目的に避難所として活用する学校体育館等の新築工事が進めら  れている。設計の段階で地元の消防分団や自主防災組織の関係者と避難所のあり方についてワークショップを行い、そこでの意見をしっかりと反映し、運営しやすい避難所を整備すること。

⑧地球温暖化の影響で年々夏の暑さが厳しさを増している。学校体育館を避難所と   して活用する際、空調機・冷蔵庫等の設置、自主電源の確保など更なる暑さ対策に取り組むこと。

⑨宿泊施設の空室を避難所として活用する取組の有効性に鑑み、新型コロナウイルス終息後も実施すること。

⑩浸水・土砂災害など周辺環境の安全性を考慮し、避難所の指定について再点検を行う

こと。また、ハザードマップの更なる活用を進めるとともに、各避難所の安全性につ

いて周知すること。

 

6.京都市立芸大等の移転整備と京都駅東部・東南部エリアのまちづくり

①京都市立芸大等の移転整備が令和5年(2023年)10月に完成する。ついては、移転整備後を見据えたプロジェクト組織を新たに立ち上げて万全の準備体制をつくり、

文化を基軸としたまちづくりを推進すること。

②京都駅東部・東南部エリアのまちづくりについては、地域との共生を前提に、そこに集積する大学等教育施設・企業・文化芸術施設が相乗効果を発揮できるよう取り組むこと。

 

7.今後の新型コロナウイルス感染症対策

コロナ禍の収束を見通す上で、この間の様々な課題を総括し、今後に活かしていかなければならない。新たな対応を練ることはもとより、新型コロナウイルス感染症と向き合うことで得た経験をより円滑な市政運営や市民サービス向上に繋げるため、下記の点に取り組むこと。

①日々変化する状況に対し、現場対応部局だけでは俯瞰的な判断が難しい。そこ   で、現場の声を受け止めながら、タイムリーな対応が可能な企画部局の設置を検討すること。

②新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)が導入されたが、自治体や利用者との連携に不備が指摘されている。自治体システムの標準化が進む中、国と自治体のシステムが上手く連動するよう国に対し要望すること。

③新型コロナウイルスの罹患者から後遺症に悩む声は止まない。これまでの相談   窓口の実績を点検・評価し、市立病院における後遺症外来の設置を検討すること。

④自宅療養は新型コロナウイルス感染症と向き合う中でやむを得ず定着してきたと言えるが、症状急変への対応など課題が残る。医療機関と連携し、安心して自宅療養ができる体制を構築すること。

⑤コロナ禍が長期化する中、これまでの事業を検証の上、生活困窮者や事業者のニー

ズに合った効果的な支援に努めること。

 

8.ケアラー支援条例の制定

現在、高齢、身体・精神上の障害や疾病により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で介護・看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する、いわゆるケアラーが社会問題となっている。また、本市でも令和4年(2022年)2月発表の中高生対象のアンケート調査でヤングケラーも一定存在する現状である。早期の問題解決をはかるため、ケアラー支援条例を制定し、対象者を支援すること。

 

9.「子育てしたいまち・京都」の実現

少子化の進展や、若年・子育て層の市外流出も喫緊の課題となる中、下記の点に留意し、「子育てしたい・京都」の実現に向けて取り組むこと。

①子育て世帯がコロナ禍や物価高騰で厳しい経済状況にあることに配慮し、令和5年度(2023年度)の保育料改定を見送ること。また、保育料の完全無償化などを国に要望すること。

②他の自治体では、子育て支援策の充実をめぐり、いわば「若年・子育て層」の呼び込み合戦が繰り広げられている。若い世代に選ばれるための施策は競争分野であることを自覚し、これまでの支援策にとどまらず、厳しい財政状況の中でも子育て世帯の支援に注力すること。

③有用で子育て世帯の関心も高い「京都はぐくみアプリ」について、民間アプリの活用や府市協調の視点も採り入れ、一層使いやすいアプリになるよう取り組むこと。

④スマイルママ・ホッと事業は、産後の母子に寄り添う有意義な取組である。不安を抱える母親が必要なケアを受けられるよう周知啓発に努めること。また、利用者負担の軽減など事業の充実に努めること。

 

10.地域性を考慮した用途・容積率・高さの規制緩和

企業誘致の促進や需要に応じた住宅確保に向け、都市計画の見直しが検討されている。他都市に比類ない京都の景観を守りながら、地域性を考慮した用途・容積率・高さの規制緩和について不断の検証を行うこと。

 

 

 

11.従来以上に市民に利用される市バス・地下鉄

コロナ禍以降乗客が激減し、市バス・地下鉄共に経営は大変厳しい。観光需要が低迷する中、乗客増をはかり経営を改善するには、市民の乗車頻度を増やすことが大変重要である。そこで、利用しやすい料金制度の工夫やサブスクリプション型サービスの提供などの取組を早期に実施すること。

 

12.中学校給食のあり方

市立中学校における選択制給食は各児童・各家庭が希望に添った昼食を自由に選ぶことが出来る点で優位性のある制度といえる。しかし、喫食率が50パーセントを大きく下回る現状では、児童が給食を選択しづらく、適切に給食制度が運営されているとは言いがたい。喫食率の向上に取り組んで久しいが、大幅な改善が見込めないのであれば、全員制給食も視野に入れ、児童の健全育成の観点から中学校給食のあり方を検証すること。

 

 

要望

1.地球温暖化対策における令和2年度(2020年度)実績の今後の取組への反映

本市が全国に先駆けて制定した「地球温暖化対策条例」で、令和2年度(2020年度)目標を基準年度比25%削減と定めたが、令和4年(2022年)8月発表の令和2年度(2020年度)温室効果ガス排出状況は20.9%削減にとどまり、目標は達成できなかった。本市の最重要施策の目標であることを踏まえ、市民にしっかりと広報するとともに、目標達成できなかった原因を分析し、その教訓を今後の市民ぐるみで進める地球温暖化対策の取組に反映すること。

 

2.更なるごみ減量の推進

本市はこれまで、市民・事業者の協力のもと、全国に先駆けてごみ減量に取り組み、目標を達成してきた。環境意識の進展とともに、更なるごみ減量を推進するため、以下の点に留意し引き続き注力すること。

①物価高騰が指定ごみ袋の値上げやごみ処理費用の増加につながりかねない事態となっている。そこで、市民負担が極力増加しないよう工夫し、安定したごみ処理を継続すること。

②プラスチックごみの分別回収方法が変更されることを契機に、間違いやすい分別に関し、「こごみアプリ」やインフルエンサーマーケティングなども積極的に活用し、一層の情報周知とごみ減量の意識啓発に努めること。

③北部クリーンセンターの改修時期に、ごみ量が処理能力を超えないことが必達目標である。コロナ禍でごみ量の減少が見られるが、収束に伴うリバウンドが起きないよう取組を強化すること。

 

3.公有地の有効活用

①東部クリーンセンターの跡地活用については、殆ど何の進展も見られないが、向かい側の近隣エリアではマンション建設が着々と進んでいる。地域住民の意見を踏まえつつ、財政健全化のみならず、地下鉄増客や地域発展に大きく貢献できる活用策を検討し、早期に事業化すること。

②学校跡地などの施設については、本格的な活用策が実施されない間、地域における活用のみならず、例えば、文化芸術分野で有効活用するなど柔軟に運用すること。

 

4.デジタル化および自治体システムの標準化・共通化

①行政手続のオンライン化に向けた調査も踏まえ、コロナ禍による非接触のニーズの高まり、市民サービス向上や財政健全化の観点から、本市のデジタル化を全庁挙げて早急に推進すること。

②本市の危機的な財政事情に鑑み、国の進める自治体システムの標準化・共通化への対応については、これまで莫大な投資を行ってきた大型汎用コンピュータ事業の成果を最大限活用して進めること。

 

5.学生に対する積極的な支援

①次代を担う大学生(留学生を含む)は、本市の今後の成長戦略の推進にとって大変貴重な存在である。大学生のニーズを把握し、学生生活が充実するよう大学と協調して取り組むこと。

②高校・大学での海外留学は大変貴重な経験であることから、希望する学生が必要条件を満たせば海外留学できるよう積極的に支援すること。

 

6.府市協調の一層の推進

府市協調の推進が二重行政の打破はもとより、府民・市民サービスの向上と効率的・効果的な行政運営を実現し、これまでも数多くの成果につながっている。今後とも京都府としっかりと連携し、コロナ禍における感染症対策・京都経済の回復、子ども医療費助成などで府市協調の取組を一層推進すること。

 

7.モデル地区設定による市民協働の街路樹育成の取組

年々厳しさを増す夏の酷暑を考慮し、街路樹の木陰を今後市内にさらに増やしていく事が求められる。そこで、モデル地区を設定し、市民協働による街路樹育成の取組を進めること。

 

8.スポーツ・文化芸術の振興

財源が限られる中、公の果たすべき役割と民間の果たすべき役割を明確にしていかなければならない。そこで、以下の点に留意しつつ、本市として取組を深化・推進すること。

①スポーツ施設の利用料改定が行われることで、利用控えや他施設へ流れることが懸念される。利用方法の幅を広げる、利用者・利用時間による割引制度など利用者数の維持・拡大に努めること。

②オンラインの京都マラソンは一定好評を博し、新たな参加者層の獲得にも成功したと言える。そこで、マラソンに限らず、オンラインによる新たなスポーツ振興に取り組むこと。

③文化芸術の市場拡大は日本全体の課題といえる。民間では定額レンタルなど新たな市場拡大の手法も試みられており、単なる販売促進にとどまらない文化芸術振興に注力すること。併せて、商業ベースには乗りがたいが価値のある文化芸術の保護に努めること。

 

9.時代の潮流を見据えた地域コミュニティ活性化

デジタル化やコロナ禍、社会の変容を契機に地域コミュニティを取り巻く環境は変わり続けている。活力ある地域を育むため、以下の取組を推進すること。

①地域の諸団体で担い手不足が深刻な課題となる中、地域に根ざした特別職の公務員として市政協力委員の役割は重要度を増している。しかし、自治会・町内会アンケートによれば、市政協力委員の活動が自治会・町内会の活動と混同して捉えられているのが現状である。そこで、より高度な役割を期待して特定地域で実証実験を行い、より有効な市政協力委員の活動を積極的に検討すること。

②コロナ禍における変化もあり、あらためて地域コミュニティの意義が問われている。分譲マンションでは、管理組合の取組に対する認定制度が創設され、管理組合の精力的な活動が、住宅の流通促進や資産価値に好影響を与える枠組が成り立ちつつある。そこで、不動産事業者等とも連携し、地域の活発な取組が客観的に評価される仕組みを検討すること。

 

10.ウイズコロナ・ポストコロナ社会の観光振興策

①第7波が落ち着く中、全国旅行支援が始まり、水際対策が大幅に緩和されることとなった。コロナ禍前の様々な観光課題を踏まえ、関係者の声を受け止めて万全の観光客受け入れ体制を整備すること。

②コロナ禍におけるデジタル化等の社会変化を捉え、ウイズコロナ・ポストコロナ社会に対応した新たな観光振興策に取り組むこと。

 

11.新たな産業創出

企業誘致に向け、市内初進出支援やお試し立地など新たな制度に取り組んでいるが、限られた予算の中で企業を呼び込むために、資金面以外で本市に進出する魅力を創出し広報すること。また、本市で生まれたスタートアップ・ベンチャー企業が、結局東京などに移転せざるを得なくなるケースがある。民間企業同士の交流・協力関係を促進し、エコシステムの醸成に一層努力すること。

 

12.食の地産地消による京都ブランドの構築

市内飲食店と食品業者・農家など飲食関連業者を結び付け、食の地産地消を府市協調で推進し、食の京都ブランドを構築すること。

 

13.木材使用のメリットの積極的PRと構造材の生産拡大

耐震性や持続性など木材使用のメリットを積極的にPRするとともに、市内産木材の大量使用につながる構造材の生産拡大を府市協調で推進すること。

 

14.地域住民の理解・納得が得られる救護施設整備計画の推進

救護施設整備計画が一度頓挫したことを教訓とし、整備スケジュールはあるものの、地域住民の理解が得られることを最優先に丁寧かつ分かりやすい説明に努めること。また、救護施設現場の状況を実際に見てもらうことや施設近辺の住民の声を聴く場を設けるなど、整備に向けあらゆる努力を尽くすこと。

 

15.敬老乗車証制度の不断の点検と改善

敬老乗車証制度の見直しが令和3年9月市会で議決されたが、その際の付帯決議を踏ま

え、引き続き市民のご意見・ご要望に真摯に耳を傾けながら、不断の点検と改善を行い、

交付率向上に取り組むこと。

 

16.継続して実施できる健康づくり事業の確立

様々なアプローチによるモデル事業の取組実績を踏まえ、継続して実施できる健康づく

り事業を確立し、全市展開に向けて取り組むこと。

 

17.学童う歯対策事業の見直し

現行の学童う歯対策事業は、虫歯を治すという対処療法的施策である。生涯にわたり歯の健康を保つには歯の定期的なチェックが大切であることから、学童う歯対策事業の虫歯治療の自己負担無料化を定期的な歯科検診の自己負担無料化へと見直すこと。

 

18.保育サービスの充実

①民間保育園の給与等運用事業補助金制度が見直されたが、今後事業者の声を受け止めながら、十分な検証を行い、子育て環境の更なる向上の観点から、必要に応じて影響の緩和等の措置を講じること。

②小規模保育園の園児が3歳時に他の保育施設へ円滑に移行できるよう支援すること。

 

19.「歩くまち・京都」の推進

「歩くまち・京都」総合交通戦略2021に掲げる「非自動車分担率85%以上」の目標を目指し、歩行者のユニバーサルデザインやシェアサイクルなどの自転車利用の促進、民間事業者との連携によるバス・鉄道の連絡など公共交通の更なる充実に努めること。

 

20.時代の変化に対応した市営住宅の募集と地域要望等による空き住戸の利活用

高齢者・単身者増加など時代の変化に対応し、市営住宅の募集を実施すること。また、空き住戸については、地域などの幅広い要望に応えて利活用をはかること。

 

21.安心・安全な道路づくり

①健康意識の高まりなどで自転車利用が増加傾向にある。そこで、自転車の安全利用のため、自転車専用レーンの増設、利用者への交通ルールの普及啓発を更に推進すること。

②児童・生徒が安心・安全に通行できるよう、関係機関と連携して通学路の維持・改善に取り組むこと。

③街路樹・歩道段差のあり方など地域住民から寄せられる様々な道路に関する要望に真摯に耳を傾け、改善に努めること。

 

22.整備未着手の市道計画の現況調査と結果の公表

本市では、都市計画決定後整備未着手の市道計画が約2割ある。待ち望んでいる市民への説明責任を果たす必要から、速やかに現況調査を実施し、結果を公表すること。

 

23.公園の整備促進と利活用

公園は、健康増進のみならず、子育てや高齢者の居場所、地域コミュニティの拠点となる重要な施設である。ついては、以下の取組を推進すること。

①都市の成長戦略で子育てしやすいまちづくりを推進する観点から、出来る限り公園の整備を促進すること。

②公園の公民連携による利活用にあたっては、企業だけでなく、市民や地域の小規模な事業者が幅広くチャレンジできるものとすること。

 

24.土木事務所とみどり管理事務所の統合

令和5年度(2023年度)当初にみどり管理事務所が土木事務所に統合されることになっている。単なる組織の合併でなく、統合のメリットが最大限発揮されることが重要である。そこで、日常の維持補修の迅速化や自然災害への対応の強化、可能な業務の委託化などを推進すること。

 

25.民泊における火災通報装置設置義務化の検討

現在民泊への火災通報装置の設置は任意となっている。しかし、コロナ終息後は再び観光客が急増し、民泊数も今以上となることが予想される。そこで、コロナ終息後を見据え、設置義務化の検討を進めること。

 

26.救急車出動の適正化

新型コロナウイルス感染症の第7波では、救急車の出動が過多となり、救急搬送の混乱と救急隊員の負担増を招いた。改めて救急相談ダイヤルの活用の重要性が報道等でも伝えられたところであり、♯7119の更なる周知徹底と出動回数の適正化に努めること。

27.消防団の充実強化

消防団は地域防災で重要な役割を担っているが、地域で職に就く団員の比率低下で、日中の火災出動に駆けつけられる団員が減少傾向にある。そこで、定年後地域で暮らす住民に対し積極的に消防団の入団を働きかけること。

 

28.上下水道事業の効率化と安定経営

①民間活力の導入によるコスト削減に積極的に取り組みながら、重要な生活インフラである上下水道の根幹事業は公営で維持できるよう経営努力を重ねること。

②管理システムや事務においてはデジタル化の取組が着実に浸透しているが、現場作業員や顧客対応のデジタル化も鋭意進めること。

 

29.幅広い不登校支援

新型コロナウイルス感染拡大以降、不登校に関する相談件数は全国的に大幅に増加している。下記の点を踏まえ、本市の宝である子どもを温かく支援すること。

①不登校を解消し、学校に行くことを唯一のゴールとせず、児童・生徒の置かれている環境に応じた解決策を見い出して取り組むこと。

②平成17年(2005年)からの民間フリースクール等との連携を更に充実・拡大すること。

③一人一台端末の整備とコロナ禍が相まって実用が開始されたオンライン授業について、本市や他都市の取組を検証し、今後不登校支援として採り入れるかどうかを検討すること。

 

30.児童・生徒の生活習慣実態調査の実施

長引くコロナ禍やスマートフォンの普及による深夜にわたるゲーム遊びや仲間との会話などにより児童・生徒の生活習慣が乱れ、学校生活に影響が及んで遅刻や欠席等につながるケースも見受けられる。そこで、本市として生活習慣実態調査を実施し、この問題の解決に向けた第一歩を踏み出すこと。

 

31.小・中学生への通学費助成の拡充

通学の際に交通機関の利用が不可欠な児童・生徒がおり、従来から通学費の助成を受けているが、学校によって助成割合に差がある。教育の機会均等の観点から、通学費助成割合の差をなくし、保護者負担の軽減をはかること。

ページの先頭に戻る