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令和2年度9月市会代表質問

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山科区選出の小島信太郎です。民主・市民フォーラム京都市会議員団を代表しまして、安井勉議員に引き続いて質問いたします。
新型コロナウイルスの感染拡大は、市民生活、京都経済のいたるところに深刻な影響を及ぼしております。市民に最も近く、経済状況を正確に把握し得る本市だからこその、きめ細やかな支援や対策が求められます。同時に、喫緊の課題と向き合うなかで、平時であれば難しい変革や、新たな取組みについて考える契機となり得ます。門川市長はじめ、理事者の皆様には前向きな答弁を期待いたします。
本年3月はじめ、全国一斉の臨時休校が発表されて以来、学校現場、生徒・保護者は新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けてきました。

臨時休校後、教育委員会に対して、休校明けの生徒の心身のケアについて質問しました。その後、生徒のために「京(みやこ)SNS相談」が臨時休校明けに急遽開設されることになったことは喜ばしく思っております。
「京(みやこ)SNS相談」は運用されて3年目になりますが、昨年度は970件もの相談があり、思春期にあっては、身近な大人よりも第三者に悩みを打ち明けやすいこと、また電話・メールよりもSNSであれば相談しやすいとう傾向が現れており、有意義な事業と考えております。
本年度は、5月から9月末まで、更に冬休み明け1ヶ月と、令和元年度より長期間開設が予定されており、この機に、年間を通じて「京(みやこ)SNS相談」を開設する必要性について質問いたします。
生徒が抱える悩みと向き合う取組みは、成果を目に見える形で評価し難いものです。
例えば、いじめ防止に取り組むことで、いじめ認知件数が減るという単純なものではありません。
生活リズムの変化により、心身に不調をきたしやすいとされる長期休業期間明けに合わせて相談事業を行うことの効果・効率性は評価しておりますが、一人でも多くの悩み、一件でも多くの相談を受け止める体制こそが本事業に求められるのではないでしょうか。
もう一方で考えるべきは、相談を受ける相談員の方の雇用です。相談員には、児童の悩みを親身に聞き、的確に答えるため、経験、知識、モチベーションの高さが求められます。
しかしながら、長期休業明けの時期のみ相談事業を行うことで、相談員の雇用が不安定になり、人員の確保、人材育成に支障をきたす恐れがあります。

悩みを抱える生徒を「誰一人取り残さない」ため、一年を通じて「京(みやこ)SNS相談」を開設することを求めますが、お考えをお聞かせください。
学校におけるSNSの活用についてもう一点質問いたします。
PCR検査等の陽性者が学校で確認された際、保護者に対する緊急連絡に一部課題が見受けられます。
大半の保護者がPTAメールに登録している学校では速やかに緊急連絡を行うことが出来る一方で、約四割の中学校をはじめ、PTAメール等を利用していない学校では、すべての保護者に対し電話で連絡を行わざるを得ません。全保護者に対する電話連絡は、教職員の重い負担となるだけでなく、生徒・保護者に対して必要な情報や連絡が適時に行われないことに繋がります。
また、連絡手段について、PTAメール等の一斉メール送信システムを充実することも一案ですが、メールは、アドレスの収集、登録における手間がかかることや、迷惑メールが多いこと、また迷惑メールをブロックすることにより必要なメールが届かなくなること、更にLINEなどSNSの普及により、プライベートでメールを利用する機会そのものが減少していることなど、課題となる点が少なくありません。
今後も新型コロナウイルスに関連して緊急連絡が求められる状況が想定されます。多くの保護者が利用しやすく、各学校で運用が容易な手段で、学校における緊急時等の連絡手段を早急に確立する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
次の質問に移ります。令和2年2月市会の代表質疑にて、自治会・町内会の活性化について質問いたしました。多くの行事が中止になるなど、
新型コロナウイルスが地域に与えた影響は大きく、一層の活性化支援に取り組まなければなりません。
本年は5年に一度の国勢調査が実施されております。本市では国勢調査の調査員の確保を、各自治会・町内会の市政協力委員に推薦を依頼することによって行っておりますが、一部の報道もありましたように、国勢調査をなぜ自治会・町内会が行わなければいけないのか、という不満の声を伺うことがあります。そこから、自治会・町内会における市政協力委員のあり方について課題を感じます。
市政協力委員は市民新聞の配布をはじめ、市政広報の実務に従事していただき、自治会・町内会と本市を結ぶ架け橋として重要な役割を担っていただく非常勤の特別職員です。

もちろん、自主的に高い意識をもって従事していただく委員もおられますが、多くの自治会・町内会の運用においては、市政協力委員は会長や副会長等が兼任することが多く、また市民新聞の配布は分担して行われることが多いと認識しています。
そのような運用が悪いわけではありませんが、市政協力委員の業務と自治会・町内会の役職が混同して扱われることで、国勢調査の調査員や、市民新聞の配布等について、自治会・町内会に課せられた業務として誤認され、その負担感が自治会・町内会離れの一因となることを懸念しています。
また、報酬についても、ほとんどが市民新聞配布の対価として支払われているものですが、その取り扱いは自治会・町内会、また各個人によりバラバラであり、混乱や不満の原因になっているのではないでしょうか。
分業して配布した際の報酬の取り扱いをアドバイスすることや、報酬を上手に活用している自治会・町内会の例を紹介するなど、あらためて市民の理解を得ることが求められます。
本市と独立した自治組織である自治会・町内会の活性化に取り組む上で、本市と直接の繋がりを持つ市政協力委員の存在は重要です。負担感や不満感の要因となるのではなく、自治会・町内会の潤滑油としての役割が発揮出来るよう、市政協力委員の役割についてあらためて考え、市民理解を深めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
関連してもう一点伺います。新型コロナウイルスの感染を恐れて、不特定多数の方が触れる回覧板を中止した自治体もあると聞いております。

もちろん、感染防止対策は必要ですが、回覧板が持つ役割も捨て置けません。回覧板が次の人に回るということは、LINEでいえば既読が付くと同じことです。独居の世帯であれば、回覧板が回るということが安否の確認になります。単純に中止することや、別の周知手段に切り替えるだけでなく、回覧板の長所を継承しなければなりません。
他方で、共働きの世帯など日中に自宅におられない家庭であれば、回覧板を確認して回すという作業を手間に感じるとともに、回覧板が行き渡るのに日数がかかるという短所もあります。
紙ベースでの広報は、最も幅広い世代に受入れやすい方法ですが、現下の感染予防や、生活スタイルの変化に対応して進化しなければなりません。

たとえば、回覧板を希望する世帯には今まで通り、希望しない世帯にはインターネットやSNSを通じて同様の情報を提供することや、市民新聞についても、紙面での広報と合わせて、よりタイムリーな情報はスマートフォンから閲覧していただくことも考えていくべきではないでしょうか。
今後の市政広報について、より幅広い市民に受入れられるよう、今ある広報手段の長所を残しながら、新たな広報手段の良いところを組み合わせ、ハイブリッド形式で発展することを望みますが、考えをお聞かせください。

次の質問です。
この間、3密状態が懸念されてきたのが、災害時における避難所です。避難所における感染予防対策として、様々取組みが行われておりますが、なかでも有意義と考えるのが、
7月市会で議論された宿泊施設の空き部屋活用です。
これまでから、我が会派の予算要望のなかでも、避難所の環境改善について申しあげてきました。災害に見舞われた避難者の心情に寄り添う上で、避難所における身体的な負担を和らげる取組みは必須です。宿泊施設の空き部屋を活用することは、避難所の環境としてこの上ありません。
また、宿泊施設の地域貢献としても期待されます。新型コロナウイルスの影響が出る以前、観光客の増加に伴い、一部宿泊施設と地域の間の摩擦が伝えられてきました。この度、協力締結した12の宿泊施設については、山科区のホテル山楽さんをはじめ、日頃より地域と友好関係にある施設が多いように思いますが、地域と宿泊施設の一層の協力が進むことが期待されます。

避難者の心身の負担軽減、宿泊施設と地域の協力促進の両面から期待できる本取組みは、新型コロナウイルスの終息後も継続して行うことが求められるのではないでしょうか。
また、本取組みにおいては、短期的な避難に限定されていますが、避難生活が長引いたときこそに心身ともにダメージが心配されます。中・長期的な避難にも対応する必要があります。
更に、現況の宿泊客の激減に合わせる形の事業ではありますが、避難所が開設される規模の災害時は、観光客の減少、宿泊のキャンセル等が一定想定されます。宿泊施設の空き部屋の避難所としての活用は終息後も継続が可能であると考えます。
避難所として宿泊施設の空き部屋活用について、新型コロナウイルス感染症の終息後も取り組む必要性を
強く求めますが、いかがでしょうか。
以上、ここまでの質問にまずはお答え願います。

本市では、不良な生活環境、所謂ゴミ屋敷の解消に向けて積極的に取り組んでおり、私もこれまで度々、委員会において質問してまいりました。平成26年の条例制定以来、不良な生活環境であると判定された254件のうち、約85パーセントにあたる218件が解消に至っており、その中では、多くの苦労と、解消に至るノウハウの蓄積があると評価しております。
地域の絆は大事ですが、不良な生活環境をはじめ、いわゆる近隣トラブルに地域や個人が独断で解消に向けて取り組むことは、より問題の深刻化に繋がることも少なくありません。最悪の場合、当事者から逆に訴えられるというケースもあります。
近隣トラブルについては、早い段階で相談をいただき、適切なアドバイスや対応を行うことが重要です。
加えて、近隣トラブルは典型的なゴミ屋敷だけではなく、多様なケースがあるため、市民がどの窓口に相談するべきか分かりづらいということも課題として認識しています。
市民が相談しやすく、より開かれた相談窓口や相談ダイヤルの開設と、その周知徹底が、本市の不良な生活環境解消に向けての取組みの成果を理解していただくためにも、必要と考えます。
また、これまで相談いただいた近隣トラブルには、騒音問題など不良な生活環境とは認められないものがあります。そのケースでも、トラブルの根底にある原因はゴミ屋敷と同様であることが多く、また相談された方が生活する上で重大な不安を抱えていることも変わりありません。不良な生活環境いかんに関わらず、広く市民の悩みに応えることの出来る体制が必要です。
これまでの取組みの実績とノウハウを活かし、市民・地域に寄り添い、安心・安全な生活環境を守る取組みの更なる発展を求めますが、いかがでしょうか。

次の質問です。
本年3月には学生向けの「KYO-DENT」が配信されるなど、これまでから本市として8件、山科区の「やましなプラス」なども合わせて、数々のスマートフォンアプリを提供してきました。
本市のアプリ活用を考える上で、実際にアプリを企画・開発する会社の開発担当の方に話を伺いました。その内容も参考に、質問いたします。
まず一つ、HPが百貨店とすれば、アプリは専門店でなければなりません。
HPはあらゆる情報を網羅していることが求められますが、アプリはむしろ情報や機能を絞ることで、他にはない利便性を提供することが長所であり存在意義です。アプリを企画する際に、あれもこれもと盛り込むことは禁物であり、求められる機能について検討した後に、本当に必要な機能を絞り込むことこそが重要です。その点で、例えば「京都はぐくみアプリ」は、乳児期から高校生まであらゆる情報が氾濫することで、HPに近くなってしまっていること、また、アップル社のアップストアでは推奨されていないWebviewが主体のアプリとなっていることも指摘し、今後の改善に期待します。
もう一つ重要なことは、アプリは完成して配信すればそれでお仕舞いではないということです。利用した方の意見を反映し、常にUI、UXを向上させる姿勢が求められます。
民間のアプリであれば、ユーザーの声につぶさに対応することが信頼と人気に繋がります。予算等の面で、民間アプリ並の対応が難しいのであれば、開発段階で、実際に利用が想定される方々にモニター調査を実施し、その結果を反映することを徹底するなど、ユーザーの声と開発会社を結びつけなければ、使いやすいアプリが出来るはずがありません。開発を受託する会社が高いモチベーションを持ってアプリの開発に臨むよう、委託契約や予算執行に留意しなければなりません。
あえて、聞きかじった専門用語を交えて話してまいりましたが、開発者から話を伺い、何より痛感したことは多くの方に使いやすく魅力的なアプリを企画・開発することの難しさです。
今後のスマートフォンアプリ活用に向けて、ガイドラインの改善など、より真剣な取組みを求めますが、
いかがでしょうか。

最後に2点要望いたします。
災害時、避難所とともに3密状態が心配されるのが、各消防分団の器具庫です。災害対応は不要不急の全く逆、必要で至急な活動です。災害時に安心して出動態勢を整えられるよう、器具庫における感染防止対策、換気の改善などに取り組む必要があります。
実際に伺ったなかでは、分団員が囲むテーブルの中央にビニールシートを設置して飛沫を防ぐ工夫をされた分団や、窓を開けて換気をしようにも網戸がないため開けることが出来ないと漏らす分団、
また換気扇やエアコンの交換・修理を望まれる分団など、感染拡大防止のために、大なり小なり器具庫の改修等を必要とする分団は少なくありません。
従来から消防団器具庫の改修に対しては補助金の制度があり、毎年一定利用されているところですが、新型コロナ対策を含め、改修を検討する消防分団もまだまだ多いなか、補助制度拡充の必要性について要望いたします。補助の上限金額についてもですが、とくに補助率の向上を行うことで、より改修のハードルを下げることが出来ると考えます。
本年度は査閲訓練、更には出初式も中止が決定し、消防団員の士気低下も心配されます。充足率の上昇、女性団員、学生団員の増加など、本市が誇る消防団が、これからも精力的に活動できるよう、補助制度の拡充を検討願います。

もう一点、地元山科における課題解決に向けて要望いたします。
平成31年4月1日から稲荷山トンネルの無料化が実施されて、丁度1年半が経過しました。新十条通では当初から交通量の増加に備えて安全対策が取り組まれてきましたが、トンネル無料化について周知が進むとともに、ますます交通量は増えてきているのが実感です。
とくに朝夕における新十条通の交通量の増加、それに伴う周辺道路の「抜け道」利用が目立つようになり、通勤・通学される方々の安全を脅かすケースや、これまでに無かった混雑、渋滞の発生が見受けられます。
新十条通ならびに周辺道路の安全対策、混雑緩和に向け、地域の声を受け止め、京都府警との連携を密にしながら、本市として積極的に取組むことを強く求めます。
以上、様々質問、要望を申しあげましたが、何より、困窮する市民、事業者を下支えするため、コロナに負けない力強い市政の推進をお願い申しあげまして、私の代表質問を終わります。
ご静聴誠にありがとうございました。

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