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行財政改革を考える①

令和3年1月12日、初の総務消防委員会が開催されました。
私から質問した内容をご報告しながら、京都市の行財政改革のポイントについてお伝えしたいと思います。

■迫る財政破綻~財政再生団体への転落~

京都市の財政はこれまでから危機的な状況が懸念されてきました。その象徴的な措置といえるのが、「公債償還基金の取り崩し」です。
近年では、毎年350億円程度の予算不足が発生していましたが、その不足分について、国からの交付税等でも穴埋め出来ない分を補うために行われてきたのが「公債償還基金の取り崩し」です。
公債償還基金は最も簡単にいえば「借金を返すために貯めているお金」です。借金(京都市の発行した市債)を返済するための基金を、毎年の予算不足を補うために取り崩しているので、
では借金の返済はどうするの?その公債償還基金すら無くなったときはどうなるの?
という疑問が浮かぶと思います。

 これまで、取り崩しを今のペースで毎年続けた場合には、約10年で危険な水準になると報告されてきました。ところが、来年度の予算については新型コロナウイルス感染症の影響により、約500億円不足するということが試算されており、この更なる予算不足を公債償還基金の取り崩しで補った場合には、10年どころか、5年で基金の枯渇に陥るということが新たに報告されました。

 併せて、公債償還基金が枯渇して、更に1・2年予算不足の状況が続けば、京都市が財政再生団体に転落することが確認されました。これが京都市に迫る危機の正体といえます。

 現在、全国の自治体で唯一、夕張市が財政再生団体となっています。財政再生団体は企業でいうところの倒産(正確にはその一歩手前)の状態ですが、自治体がここに陥ってしまうと様々な弊害が発生します。その中で、住民に最も大きく関係するのが、自治体の独自施策を全て中断しなければならないことです。京都市では年間1400億円以上かけて独自施策を行っていますから、それらが全て無くなった場合には、子育て・医療・年金など、あらゆる面で大幅な負担増、サービス低下が発生します。

 しかし、財政再生団体に陥った場合の悪影響はまだまだ止まりません。この点が私から委員会において確認したところです。

 つまり、大幅な市民生活の負担増、サービス悪化、更には事業者に対しても様々な悪影響が発生した先には、市民、事業者の京都市離れが起こります。

 これから結婚し、子育てをする世代は、新たな住まいを探す際に、間違いなく財政再生団体となった京都市を敬遠し、他の自治体に移住します。企業や事業者もより有利な環境の自治体に本拠地を構えることとなるでしょう。

 市民、事業者の京都市離れが進めば当然、市税収入は悪化し、更に財政は厳しいものになるという負のスパイラルが続いていくことになり、財政再生への道のりは非常に厳しいものになる、というよりも、財政再生団体に転落すれば現状では再生は不可能に近いのではないか、とすら思わざるを得ません。

 このまま京都市の財政が悪化し、財政再生団体となれば、千年の都である京都が我々の代で終わってしまうことになる。ここまでの強い危機感を持って、財政健全化に臨まなければならない。そして、市役所はもとより、市民ともこの危機感を説明、共有し、財政の根本的な改善に努めていかなければならない、というのが今後の改革に向けての大前提となるポイントだと思っております。

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